古戦場公園西側ゾーン(歴史民俗資料館・古民家)の整備について

更新日:2023年05月10日

西側ゾーンの整備について

西側ゾーンには長久手の歴史と各種テーマごとの展示を行う「歴史民俗資料館」を新設します。また、市内最古級の「古民家」を歴史民俗資料館の附帯施設として移築し、農機具類や家財道具の展示を行い、民具を使った体験活動の場としても活用します。

古民家移築のスケジュール

1 令和4年度に古民家解体設計及び移築設計を行いました。

2 令和5年度に古民家の解体工事を行います。

3 解体した部材については、古戦場公園の西側ゾーンに仮置きし、令和6年度以降に再利用可能な部材をできる限り活用した工法で、古民家の移築工事を進めていきます。

移築予定の古民家

kominka

市民ワークショップ

古民家移築に係るこれまでの経過について

 (1)昭和61年度(長久手町史の編さん事業)

 『長久手町史資料編三 文化財』の第5章「建築物」の項目で当該古民家は、「明治24年の濃尾地震後に瀬戸の品野村にあった家を移築したものといい、移築前の建立年代は、その形式からみて、18世紀中期まで遡るとされ、本町では最も古い民家である。」また、「構造は、鳥居建てといわれるもので、建物の身舎(もや)の前後を柱で支える古い形式」であることを明記しました。

 (2) 平成25年度(長久手市の鳥居建て古民家調査実施) 調査費用210,000円

 古民家の建立年代を明らかにするため、所有者への聞き取り調査、資料調査を行った長久手市の鳥居建て古民家調査結果で、当該古民家は、『古民家が、江戸時代後期から末期にかけて建てられた「鳥居建て」形式の建物であり、いくつかの改修を受けているが、復元すると「広間三間取り(ひろまさんげんまどり)」の平面形式をとり、鳥居建て構造を示す太い2本の鳥居柱(とりいはしら)と大梁(おおはり)を残し、さらに鳥居柱筋(とりいはしらすじ)には上屋(うわや)を支える上屋柱(うわやばしら)を数本残している点が古式で、建築学及び民俗学的にも貴重な遺産であり、歴史的な文化遺産として、大切に保存していく必要がある。』との結論に至りました。

 (3)  平成26年度(古戦場公園再整備基本構想策定)

 古戦場公園再整備基本構想策定における市民ワークショップの中で、「古民家を移築し、昔の衣食住に関する生活体験など、お年寄りが子どもたちに伝統文化を伝えたり、楽しみながら交流できる場をつくる。」との意見がありました。そこで、この意見を踏まえ、公園西側ゾーンに木造を基本とし、歴史を感じさせる素材や工法を用いた建築物を整備する計画としました。

 (4) 平成28年度

ア 古民家移設調査実施 調査費用1,593,000円

 古民家の保存修理及び移築に向けて、古民家移設調査を行い、実測調査及び現況平面図の作成を実施しました。

イ 古戦場公園再整備基本計画策定

 古戦場公園再整備基本計で「長久手周辺の伝統的建築様式である鳥居造り民家を移築し、必要な改修を行い、長久手の歴史民俗展示及び体験学習施設として西側ゾーンで利用する。」ことを明記しました。 

 (5) 平成29年度(古民家の現地保存)

 古民家を古戦場公園へ移築するには、高額な費用がかかることを理由に移築を断念し、岩作石田地内の現地で保存する方針に変更しました。

 (6)平成30年度

ア 古民家所有権移転に関する登記 (所有権に関する登記等業務費274,406円)

 平成31年2月4日に当該古民家の所有者が長久手市となりました。

イ 文化庁調査官派遣 (文化庁調査官の旅費13,290円)

 平成31年3月13日に文化庁調査官に古民家を実査していただき、国登録有形文化財の登録の見込みがあることを伺いました。

ウ 第6次長久手市総合計画(ながくて未来図)策定

 第6次長久手市総合計画に、「市内に現存する古民家を保存し、地域のくらしを後世に伝え、市民が交流する場として活用する。」ことを明記しました。

 (7) 令和元年度

ア 文化財古民家補修等工事 (工事費用9,194,040円)

 歴史的な文化遺産としての価値を保存するため、損傷が激しい屋根、雨樋及び和室の床の劣化が進まないよう、緊急的に補修工事を実施しました。

イ 総務くらし建設委員会から市への要望書

 令和元年9月11日に総務くらし建設委員会から市に対して、「古民家は現在地での保存活用を進めるのではなく、デジタルアーカイブによる記録保存とし、その記録の公開、古戦場公園で使用できる一部の部材を再利用すること。」という要望書をいただきました。

ウ 国登録有形文化財の申請断念

 古民家を国登録有形文化財として復元するための工事は、市の財政負担が相当額必要となるため、国登録有形文化財の申請を断念することとしました。

エ 古民家取扱い方針の決定 (現地保存から古戦場公園西側へ移築)

 記録を残した上で、古民家の再利用可能な一部部材のみを活用し、古戦場公園に移築することと決定しました。

オ 文化財古民家詳細調査 (調査費用2,585,000円)

 古民家の破損状況及び痕跡を調査し、破損状況図及び痕跡調査図作成するため、文化財古民家詳細調査を実施しました。

 (8) 令和2年度

ア 文化財保護審議会の専門家の意見

 令和2年8月24日に開催した令和2年第1回長久手市文化財保護審議会で、「現在の古民家を参考にして古民家風に整備するなら、古民家の部材をできる限り活用すべきである。古民家の鳥居建て構造及びその接続部の部材だけを使って、残りは新材で整備するということは乱暴である。」との厳しい御意見をいただきました。

イ 移築方法の再検討

 9月議会において、文化財保護審議会での意見を踏まえて、移築方法を再検討し、再利用可能な一部部材を使うのではなく古民家の再利用可能な部材をできる限り活用した移築方法を再検討することを一般質問で答弁しました。

 (9) 令和3年度

ア 市民の力を生かした整備手法

 令和4年3月1日の予算決算委員会総務くらし建設分科会で、古民家については、市民の力を生かした整備手法により、コスト縮減を図るとともに、再利用可能な部材をできる限り活用し、古戦場公園に移築することを説明しました。

イ 令和4年度予算の附帯決議

 令和4年3月24日付で、令和4年度予算の主屋・収蔵庫・納屋の設計委託料が議決されましたが、古民家を早急に撤去、保管、整地することや、移築場所については、古戦場公園一帯に限定せず、ジブリの世界観とその風景を考えるというならば、東山地区も視野に入れて検討すること、また、市民及び議会に対して、古民家の移築場所も含めた活用の在り方を説明することの3点について意見が付されました。

 (10) 令和4年度

ア 議会全員打合せ会 附帯決議に関する市の方針の説明

 令和4年7月4日の議会全員打合せ会で、附帯決議に関する市の方針を説明しました。古民家を古戦場公園に移築し、この地方に伝わる特徴的な鳥居建て形式の建築物を後世に継承していくことや、農業が暮らしの中心であった昔の生活を学んだり、体験したりする場として活用する方針としました。令和4年度に古民家解体工事及び移築工事の設計を行い、令和5年度に建物を撤去し、整地した後、できる限り早く所有者に土地を引き渡すこととしました。西側ゾーンに分散して整備する予定でした納屋、収蔵庫及び体験施設の展示機能を1つに集約して、歴史民俗資料館として整備し、古民家はその附帯施設とすることとしました。

イ 歴史民俗体験施設整備主屋設計 (委託費用3,682,800円)

古民家を古戦場公園西側ゾーンに移築し、この地域のくらしや歴史文化を後世に伝えるための歴史民俗資料館の付帯施設として整備するために、古民家の部材の調査、解体工事の設計及び建築設計を行いました。

この記事に関するお問い合わせ先

くらし文化部 生涯学習課 文化財係
〒480-1166 愛知県長久手市野田農201番地

電話番号:0561-56-0627
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