1回目の実験終了:デマンド型交通(乗合タクシー)の実証実験を行いました! 【N-バス東部線・三ヶ峯線 沿線にて】

更新日:2025年03月28日

※令和6年11月30日をもち1回目(令和6年度)の実証実験(運行)は終了しました。

   ご協力いただきありがとうございました。

※今後は本サイトで結果等を随時掲載していきます。

※長久手市の「デマンド型交通実証実験」について、ひまわりネットワーク(ケーブルテレビ)の『Weeklyながくて』(市政情報番組・2024年10月14日放送)のニュースにて、利用予約の手順、利用(乗降車)の流れなどが短く、わかりやすく紹介されました。

動画配信もされていますので、ぜひ参考に以下URL(外部リンク)からご視聴ください。

https://stream.himawari.co.jp/chroot/vod/nagakute/news_1M_241014_1.mp4(動画・外部リンク:ひまわりネットワーク)

  *「2024年10月14日(月曜日)放送内容」の中で紹介されています。

Plan:趣旨

  • デマンド型交通(乗合タクシー)とは、利用したい日時や乗降場所(乗降ポイントである停留所)を事前に予約することで、乗車場所から乗合にて目的地まで運行するサービスです。
  • 市のコミュニティバス“N-バス”は、運行開始から「市内交通空白地帯の解消」や「交通弱者の社会参加の促進」などを目的としてきましたが、東部地域では、現在の利用状況では今後、求められる運行ルートや便数を確保することが困難となります。そこで、東部・三ヶ峯エリア(N-バス東部線・三ケ峯線沿線)にてN-バスに代わる新たな移動手段として、デマンド型交通の実証実験を行ったもので、その結果をお知らせします。
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Do:実証実験の概要

  • 期間:令和6年10月1日~令和6年11月30日  毎日7時30分~18時30分
  • 場所:東部地域(N-バス東部線・三ヶ峯線沿線エリア)

   長久手市デマンド型交通(乗合タクシー)実証実験エリアマップ(PDFファイル:596.3KB)

  • 運賃:1エリア内移動200円/人(2エリア移動400円/人)
  • 割引:他の公共交通機関との乗継は、デマンド型交通の運賃が割引(キャンペーン)を実施(デマンド型交通の運賃が1エリア移動分割引き)。
  • 利用:事前登録(電話の場合は不要)→利用予約(電話またはWEB)
  • 経費:運行委託費7,281,884円(収入13,100円)

Check:結果

利用状況について

利用状況

  • 利用登録者 119人
  • 予約件数 189件(Web予約 149件、電話予約 40件)
  • 利用者数 のべ316人
  • 乗り継ぎ割引キャンペーン利用数 164枚
  • 乗継割引を利用した予約 110件(予約総数189件の58%)
  • 乗継割引の利用人数 のべ164人(総利用人数316人の52%)
  • 乗合件数 3件

グラフ、表など

利用状況からの知見、課題など

  • 当初は利用数が芳しくなかったが、実験開始後も周知の取組を随時進め、利用が増えてきた
  • 昼間時間帯(12時台~16時台)の利用が比較的少なかった(時間帯別の予約件数のグラフを参照)
  • 64歳以下の利用も多く、幅広い利用があった
  • 子育て世帯の移動需要も大きい
    *幼児もしくは未就学児を同伴しての利用は34件(予約総数192件の18% )
  • 三ケ峯エリア乗車の利用は、三ケ峯エリア内での降車は0件であり、公園西駅(50.0%)、長久手古戦場駅(30.6%)の両駅での降車が80.6%を占めていた
  • 乗継キャンペーンの結果から、リニモ/名鉄バス/N-バスとデマンド型交通の乗継利用による移動需要が非常に大きいことがわかった
  • 乗継キャンペーンの結果から、趣味・娯楽/買い物から通勤まで、多岐に渡る目的で利用されている

事後アンケート調査について

アンケートの実施概要

《アンケートの送付対象》

  • 18歳以上の市民より無作為抽出:1,500人(うち、市東部地域1,000人)
  • デマンド型交通利用登録者(関係者除く):117人(うち、市東部地域48人)

《アンケートの実施状況》

  • 送付数:1,581件(うち、東部地域1,040件)
  • 無作為抽出対象の1,500人のうち、実験モニター4人を除く1,496人(うち、市東部地域997人)
  • デマンド型交通利用登録者のうち、実験モニター27人を除く90人(うち、市東部地域31人)
  • デマンド型交通利用登録者のうち、無作為抽出対象として選出された5人(すべて市東部地域)については二重に送付せず、1部のみ送付。
  • 回答数:605件(Webによる回答195件,郵送による回答410件) [R7.1.20時点]
  • (参考)実験モニター27人については異なる方式の郵送アンケート調査を実験前後に実施した。 実験モニターを対象とした調査には、市民および利用登録者を対象とした調査と共通の質問が 含まれている。以下では、両調査で共通の質問について結果を合算して集計した。

アンケートの単純集計結果

アンケートの結果(クロス集計)と結果からの知見、課題など

    *本事業について、「聞いたことがある」人が市東部地域(55.2%)、および65歳以上(63.2%)に限れば過半数を超えていたが、詳しい内容は伝わっていなかった可能性がある
    *本事業について、64歳以下の人への広報が不足していた可能性がある
    *乗り継ぎキャンペーンについては、利用登録者には伝わっていたものの、一般の方への周知は不足していた可能性がある

    *全体の満足度は「満足」「やや満足」が90%を超えている
    *運転手の応対/乗り継ぎキャンペーン/電話での利用予約については、満足度が高い
    *運行時間/停留所/利用予約できる時間については、満足度がやや低い

    *利用しなかった理由(不満・やや不満)について、64歳以下では「運行時間(20%)」「停留所(18%)」がやや多い
    *65歳以上では、「停留所(31%)」がやや多い

    *不安なことについて、年齢を問わず、「事前に予約が必要なこと」が多く、次いで「予約の変更」「行きたい場所/近くに停留所がない」が多い
    *64歳以下では「出発時刻や到着時刻の遅延」「知らない方との相乗り」「予約が取れない可能性があること」も多い
    *65歳以上では、「電話やスマートフォンでの事前予約」も多い

    *デマンド型交通が導入されたら「公共交通で行けるかどうかを考えない」人の割合が減少する。
      利用登録者△12.7%
      無作為抽出東部△9.4%
      無作為抽出西部△1.0%
      無作為抽出64歳以下△5.2%
      無作為抽出65歳以上△5.5%
    *(参考)令和4年度の公共交通に関するアンケートでの同回答の割合:27.8%

    *64歳以下では、デマンド型交通が導入されれば、「N-バス等の公共交通の利用が増える(3.8%)」「タクシーの利用が減る(△5.3%)」結果となった
      →デマンド型交通が、リニモ等の幹線交通に接続する2次(補助)交通と捉えられているため、乗継割引等の施策が有効と考えられる
    *65歳以上では、デマンド型交通が導入されれば、「車(自身で運転)の利用が減る(△6.1%)」「N-バス等の概ね1時間に1本以下の頻度でしか運行しない公共交通の利用が増える(9.1%)」「タクシーの利用が増える(3.0%)」結果となった
      →デマンド型交通の導入により、自家用車を手放しても外出が可能となることから、運転免許の返納を促し、外出を促進できる可能性がある

    *65歳以上では、デマンド型交通が導入されれば「家庭で自家用車を保有しない」もしくは「自家用車を減らす」ことを検討するとの回答が20%以上を占めた

    *デマンド型交通の料金は「300円まで」「500円まで」を望む回答が多かった

    *無作為抽出の市民からはN-バスの存続を望む回答とデマンド型交通の導入を望む回答が拮抗しているが、R6の実証実験の利用登録者からはデマンド型交通の導入を望む回答が多かった

    *デマンド型交通が導入されれば、多岐(通勤・通学、買い物、通院、趣味娯楽)に渡る目的での利用が見込まれる

アンケートの自由記述欄のコメント(抜粋)

  • デマンド型交通の導入を望むコメント

    「デマンド型交通の早期導入を望みます」

    「自家用車を保有していないのでとても助かります」

  • N-バスの存続/拡充を望むコメント

    「N-バスの三ケ峯線は残してほしい」

    「N-バスを1時間に1本の頻度で走らせてほしい」

  • デマンド型交通サービスの改善を望むコメント

    (1) 運行時間の延長や直前配車を望むコメント

        ・「配車終了時刻を遅くしてほしい」
        ・「利用直前でも予約できるようにしてほしい」

       → 【改善の検討】R7年度の実験では、終了時刻を延ばし、利用30分前まで予約可能とすることを検討

    (2) 停留所の拡充を望むコメント

       ・「市西部地域や愛知医大にも乗降場所がほしい」
       ・「市東部地域の乗降場所を増やしてほしい」

      → 【改善の検討】R7年度の実験では、市西部地域で昼間限定特別停留所の設定、市東部地域の停留所の公募を検討

    (3) 広報の改善を望むコメント

       ・「どんなサービスかわからず不安だった」

      → 【改善の検討】R7年度の実験では、サービス(事業)の内容について広報を充実させることを検討

  • その他のコメント

    「乗り継ぎキャンペーンのおかげで他の公共交通機関と上手く組み合わせることができた」

    「子連れで相乗りになる場合に、子連れであることが事前にわかる仕組みになれば嬉しい」

 

Action:今後

令和7年度の実証実験の仕様(案)について

  • 期間及び時間

      令和7年9月中旬~12月中旬(3か月間)

      毎日午前7時30分~午後8時30分

  • 場所

      東部エリア(N-バス東部線沿線)
      ※三ケ峯エリア(三ケ峯線沿線)は、R7年度の実証実験では除外とする
      ※昼間時間帯に限り、対象エリア外の図書館通り周辺に4~5箇所ほどの乗降を可能とする昼間限定の特別停留所の設定(利用促進キャンペーン)を検討する

  • 停留所(乗降ポイント)

      43箇所+公募にて決定する予定

  • 運賃

      1回200円/人
      ※他の公共交通機関との乗継は100円/人割引(デマンド型交通の利用料金を割引く)
      ※昼間限定特別停留所を設置する場合は、加算運賃を検討する

  • 利用方法

      事前登録(電話の場合は不要)→利用予約(電話又はWEB)
      ※利用予約は、乗車希望日の3日前~希望時間の30分前

  • その他

      車両1台 ※ワゴンorミニバンタイプとし、乗合の件数を増やす

運行時間の拡大について

  • R6年度の実証実験において、利用者が予約照会を実施した際に運行組み合わせ不調(マッチング不調)のため、予約NGとなった件数は36件そのうち34件( 94%)が17:30以降の予約で、夕刻に予約が集中して利用したくてもできない状況が発生した。
  • 事後アンケート調査の自由記述欄においても、「仕事終わりでも利用できるようにもう少し夜の遅い時間帯まで運行してほしい」「利用したかったが、帰りの運行時間に間に合わないので利用できなかった」など、夕刻の運行時間帯延長を望む声が多かった。

R7年度の実証実験では、夕刻の運行時間帯延長を検討する。

停留所(乗降ポイント)の公募について

  • 停留所の設置箇所数の利用満足度や利用しなかった理由として、「不満」「やや不満」が多かった。
  • 事業の周知面では、詳しい内容は伝わっていなかった可能性があり、また64歳以下の人への広報が不足していた可能性があった

 R7年度の実証実験では、停留所(乗降ポイント)を公募することにより、対象地域の人に事業の周知を図り、この事業を身近に捉え、利用につながるよう検討する。

※地域の人への説明の際は、アンケートにおいてシステムや電話での予約への不安があったため、実際の利用を補助するような取組もあわせて検討する。

三ケ峯エリアにおける運行について

      (1) 三ケ峯エリア内での降車は0件であった。
      (2) 公園西駅(50.0%)、長久手古戦場駅(30.6%)の両駅での降車が80.6%を占める。

      → デマンド型交通よりも定時定路線であるバスの方が適している可能性がある。

  • 事後アンケート調査の自由記述欄において、「N-バス三ケ峯線を残して欲しい」など、N-バスの存続・拡充を望む声もあった。

N-バス三ケ峯線エリア(公園西駅より南側)についてはR7年度の実証実験対象エリアからは除外。N-バス利用児童も考慮し、実証実験の結果を踏まえ、N-バス三ケ峯線の存続可否およびデマンド型交通導入について総合的に検討する。

昼間限定特別停留所の設定(利用促進キャンペーン)について

    → 東部地域の生活を支えるという観点で、デマンド型交通サービスエリア外の図書館通り周辺の4~5箇所ほどに乗り入れた場合の利用動向について知りたい。
また、車両の有効活用の観点からも、昼間時間帯に限定してエリア外(西部地域)への乗り入れるキャンペーンを検討中。

R7年度の実証実験では、昼間限定特別停留所の設定(利用促進キャンペーン)を検討する。

今後の方向性について

地域特性にあった補助交通(長久手市地域公共交通計画の基本方針より)

N-バスは、運行開始から「市内交通空白地帯の解消」や「交通弱者の社会参加の促進」などを運行目的としてきましたが、限りある財源のなかで、今後は、地域公共交通の一つとして確保維持していくことが重要と考えています。
このことから、令和9年度の路線再編では、N-バスを地域特性に合った補助交通と位置付け、市西部地域では、利用促進のための路線の充実を図り、市東部地域では、N-バスに代わる新たな移動手段としてデマンド型交通導入の検討を行うとしています。

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  • 《市西部地域》利用促進のための路線の充実
  • 《市東部地域》N-バスに代わる新たな移動手段としてデマンド型交通導入の検討

スケジュール(長久手市地域公共交通計画の計画事業及びその実施主体スケジュールより)

今後は、利用状況の検証や利用者アンケートなどから、停留所の増設、運行時間の延長、昼間時間帯の利用促進などの課題が見えてきたため、これらを改善しつつ、令和9年度のN-バス路線再編に合わせたデマンド型交通導入に向け、2回目の実証実験を進める予定です。

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  • 《N-バスの路線再編》R9年4月に向けR7年度とR8年度で検討する
  • 《デマンド型交通導入》R9年4月に向けR7年度に2回目の実験を予定、R8年度に検討する

[参考]結果報告資料

その他

  • 元気な愛知の市町村づくり補助金(愛知県補助金)の活用

       本事業(デマンド型交通実証実験事業)について、愛知県の「2024年度元気な愛知の市町村づくり補助金(チャレンジ枠)」を活用して、実施しました。

この記事に関するお問い合わせ先

くらし文化部 安心安全課
〒480-1196 愛知県長久手市岩作城の内60番地1

電話番号:0561-56-0611
ファックス:0561-63-2100

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