(令和4年2月8日開催)令和3年度長久手市総合教育会議

更新日:2022年03月10日

会議詳細

開催日時

令和4年2月8日(火曜日)午後1時30分から午後3時15分まで

開催場所

市役所北庁舎2階 第5会議室

出席者氏名(敬称略)

教育委員 羽根 しげ子
教育委員 細川 修
教育委員 安藤 京子
教育委員 川上 雅也
教育長 大澤 孝明
市長 𠮷田 一平(議長)
(有識者)
武田 信子(ZOOMにて参加)
(事務局)
市長公室長  加藤 正純
企画政策課長 山本 晃司
同課課長補佐兼政策第1係長    稲垣 道生
同課政策第1係主任 金子 達也
教育部長 山端 剛史
指 導 室 長  大井 雅夫
地域共生推進監 國信 綾希

欠席者氏名(敬称略)

なし

審議の概要

地域で育ち合う共生の教育に向けたアクションとは
⑴ 今年度の総合教育会議の趣旨説明
⑵ 本市の取組状況の紹介
⑶ 武田先生によるレクチャー

公開・非公開の別

公開

傍聴者人数

0人

問合先

長久手市市長公室企画政策課 0561-56-0634

会議録

1 市長あいさつ

先日、大学入学共通テスト当日に、高校2年生が、受験生を無差別に切りつける痛ましい事件がありました。この事件のことを扱った朝日新聞の中で、ある社会学者の先生が、「人を殺せないのは、殺してはいけない理由があるからではない。殺せないように育つからだ。こうした感情面の発達は、どんな人間関係の中で育ったかで決まる。」と述べていました。

私は、学校以外での学びが大事だと思っています。学校の外での人付き合いや、勉強ではない一見何の価値があるか分からないような無駄なことや、とりとめのない雑談の中に、人生において大切なことがあるのではないか、と思います。そういう意味では、現代は、様々な無駄が排除されてきて、学校で勉強するのも、いい仕事につくため、というようになってきていることを懸念しています。

本市の教育大綱の教育方針である自然共生・地域共存・多様性尊重については、勉強して身につくというものではなく、むしろ一見無駄だと思う経験から学べるものだと思っています。

本日は、「やりすぎ教育」を書かれた武田先生にオンラインで参加していただいています。ぜひ先生の話も参考にしながら、様々な切り口から議題について考えて行きたいと思います。

2 議題「地域で育ち合う共生の教育に向けたアクションとは」

⑴ 今年度の総合教育会議の趣旨説明
⑵ 本市の取組状況の紹介
について、資料1・2、資料2の補足資料を用い、事務局及び教育長から説明。

⑶ について、別添資料に基づき、武田先生から説明。
【要旨】
新自由主義や先進国的な価値観の中で、社会で生き残れる人材(ビジネスパーソン)を育てることに主眼を置いた学校教育モデルや、子どもの将来への不安から良かれと思って子どもにあれこれ詰め込んでおきたい親。こうした中、子どもたちは、学力が高く、勤勉で、従順に育つ一方、自殺やひきこもり、うつ、いじめといった社会問題も起きている。

そのような状況を変えていくためには、「社会で生き残っていく力を育てるための教育」ではなく、「ともに生きていく力を育むための学び」へと考え方を変えていかなければいけないのではないか。そのためには、0歳から100歳まで学ぶ機会を保障することや、学校以外でのコミュニティベースの学びを大切にすること、子どもの育ちを社会(地域)で支えていくための市民の価値観の転換が必要である。

3 主な意見

教育長

先生が教えすぎているということに気づいた。「宿題は残業」という視点についても、現場の教員に共有したい。

本市においては、気楽に来られる学校づくりに取り組んでいきたい。その一環として、来年度は、北中学校にフリースクールをつくり、生徒に合わせ、柔軟に通えるようにしていきたい。そのフリースクールの先生についても、従来の先生像ではなく、いつもニコニコして少しのんびりしているような先生に担当してもらいたいと思っている。

 

事務局

「0~3歳までの経験でその子の人格が決まる」という先生の話を受け、若い人が多い本市の特性を考えると、その間にどのような環境を提供できるかについて、行政として責任感を持って取り組むべきと感じる。

また、「優秀なビジネスパーソンを育てる」ことを学校教育で目指していた時代から、リーダー像が変わっていると思う。これからは、共感をベースに「ともに生きていく」ことに価値を置いたリーダーをつくっていく必要があると感じる。

私の出身は、長野県の田舎なのだが、豊かな自然や人間関係の中から、「自分は生かされている」といった利他の精神のようなものを、理屈抜きで学んできた。長久手においても、大人が暮らしを楽しんでいたり、助け合う姿を子どもたちに見せることが、次世代の育成につながると思う。

 

委員

子どもをどうしていくかというより、親を含めた大人たちの価値観を変えていくことが必要だと感じた。そのためには、多くの人が学んだり考え方を変えるきっかけを与えられる仕組みを検討していかなければならない。

現在、N-ハウスの移転が進んでいるが、そこは、場所をつくるところから子どもたちが主体的に関わっている。そのようなことを、市内のいろいろな場所でやっていけるといいのではないか。

 

委員

夜の9 時頃、街を歩いていると、ある塾の前に保護者のお迎えの車が列をなしている光景を見た事がある。ここに通う子ども達は学校や塾で学ぶ他にどんな生活体験をしているのか気になった。人間は0 歳から6 歳の間に脳の9 割が成長するという事だが、幼少の頃から様々な体験を積むことが人間形成に影響するらしい。

特に「遊び」は感性や創造力を育む意味でも重要で、最近、プレイパークという子ども達が中心になって自然の中で自由に伸び伸びと「遊び」を楽しむ環境が整えられつつあるが、長久手の自然環境を生かした「遊び」の取り組みが子ども達の行動や視野を更に拡げる手助けになってほしいと思う。

 

委員

先生の話を聞いて、ワクワクしながら、何ができるんだろうと考えていた。

私は、大学卒業まで最短で駆け抜けることが当たり前となっていることに疑問を感じている。学び足りなかったらもう一年その学年をやり直したり、社会人になって経験を積んでから、大学に入って学ぶということもあっていいと考える。

若手の教員を見ていると、一生懸命勉強して駆け抜けてきた人が多いため、多様になってきている「幸せのカタチ」を子どもたちに教えられるか、少し心配に感じる。

 

委員

「地域の中に溶け込んで暮らす」ということを意識して実践しているが、こちら側がその意識でも、地域の人たちの方にそういった意識がないことが多い。その度に、「共生社会は難しいな」と感じる。一方だけが歩み寄るのではなく、お互いに学び、歩み寄ることが必要であると思う。

私は、部活動の指導を長年続けているが、よく生徒から、「いつも笑っていますね。」と言われる。私にその意識はないため、逆に、先生といった日頃接する大人たちが、普段笑顔ではないからそう言われるのかな、と推測している。

地域の中でともに生きるということを考えたときに、いろいろな大人に接することができたり学べる場を地域の中につくっていくことが必要だと感じる。

 

武田先生

委員のみなさんが、私のレクチャーの中の共感できるキーワードをそれぞれ拾っていただき、興味のあることから取り組み始めると良い。ここまでの話を伺って、「大人も学ぶ」ということがみなさんに響いていると感じた。私も、世界の様々な教育現場を見に行き、話を聞き学んできた。市民も、実際の教育現場を見て話を聞くことで、学びにつながり、少しずつ価値観も変わってくるのではないか。

 

教育長

「遊び」を知らない教員たちをどう変えていけばいいか、いい知恵があれば教えていただきたい。

 

武田先生

学校の先生は、どんどん多忙になり、追い詰められている人も多いと思う。なので、「変わろう」というメッセージではなく、「こっちの方が楽に考えられるよ」と遊びのある考え方を一つの選択肢として与えられると良いと思う。変わりたい人へのきっかけを与えることが大切である。また、変わるのは、変わりたいと思っている先生だけでいいと思う。

 

委員

今の若い親は、現状やこれから先の未来について、不安や不満を抱えているように見える。その不安や不満が子どもに伝わってしまっていると思う。若い世代の幸せ感が上がるといいと思うが、どのようにしたら良いか。

 

武田先生

子育ては、第一義的には親の責任ではあるが、国や自治体の支援は当然必要だし、「子育ては親だけでするものではない」という意識を、子育てしていない人も含めて持つ必要がある。

ふらっと目的なく行けたり、雑談ができるような居場所が地域にあると良い。

 

武田先生

最後に一言。北海道でロケット開発をしている植松努さんが、『「どうせ無理」と言われたら、「だったらこうしてみたら立方メートル」と言い換えてみる』と言っていて、この言葉をぜひ覚えておいてほしい。現在、子どもや若い人の中でも、「どうせ無理」というあきらめムードが蔓延しているように感じる。

カナダのある村で、若者の自殺が相次いだときに、村の長老たちが、まちの魅力を高める取組を始め、自分たちが楽しんでいる姿を若者に見せた。その結果、自殺もなくなり、まちはかわったという。これも「どうせ無理」と諦めるのではなく、楽しみながらやってみることで、好影響を与えた良い事例である。

長久手も、「どうせ無理」でなく、「このまちならできる」と信じ、楽しみながら行動する人が増えることで、まちを自分事と思う市民は増えるのではないか。

長久手ならできると信じています。

 

市長

やりすぎ教育と同じように、まちづくりも一緒で、行政のやりすぎが、市民の主体性を奪ってきてしまったのではないかと思っている。

自分たちのまちを自分たちでつくろうと取り組む人の姿を見て、子どもたちが育ち、まちが変わっていくと思う。そのためには、手を出さずに待つということが大切である。

 

事務局

来年度は、今日のような話を、多くの市民のみなさんに聞いていただき、一緒に考えていく機会をつくる予定である。引き続き協力をお願いしたい。

本日の資料

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 企画政策課 企画調整係
〒480-1196 愛知県長久手市岩作城の内60番地1

電話番号:0561-56-0600
ファックス:0561-63-2100
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