平成28年度第3回長久手市総合教育会議
開催日時 |
平成29年1月30日(月曜日)午前10時から午前11時35分まで |
---|---|
開催場所 |
長久手市役所西庁舎2階第7・8会議室 |
出席者氏名(敬称略) |
教育委員長 加藤正雄 |
欠席者氏名(敬称略) |
なし |
審議の概要 |
部活動の現状と課題について |
公開・非公開の別 |
公開 |
傍聴者人数 |
5人 |
問合先 |
長久手市市長公室政策秘書課 |
会議録
1 あいさつ
〔市長あいさつ〕
全国でいじめの問題が起きている。教員が、部活で忙しいからといって、こういった問題に対応できないということではいけない。本日は、そういったことを念頭において、部活動の現状と課題について議論したい。
〔委員長あいさつ〕
最近、新聞に部活動が取り上げられることが多くなり、先日、読んだ記事には、教員の労働環境の観点から、ブラック部活と題し、部活動のマイナス面を掲載しているものがあった。また、全く経験したことのない部活動の顧問をしているという教員もおり、部活動における指導者の人材不足も問題となっている。
一方で、部活動は、生徒の放課後の居場所になっているという現実もある。また、スポーツ系の部活については、体を動かすことにより、健康になるという観点もある。新潟県見附市では、健康寿命を延伸する取組を実施し、市民一人当たりの医療費を削減できたという事例もあり、部活動が貢献し、メリットもあるということも認識しておかなければいけない。
2 議題
部活動の現状と課題について、資料に従い、説明。〔事務局〕
- 本日の議題における部活動とは、学習指導要領に位置付けがある中学校の部活動を対象とする。
- 約8割の生徒が部活動に参加している。部活動に参加していない生徒の中には、野球のシニアリーグ等、外部で活動をしている生徒も含まれる。
- 部活動の休養日について、明確なルール化はしていないが、校長会での申合せ事項として、家庭の日(毎月第3日曜日)は休みとする、土日どちらかは半日休みとする、日没までに終了することを決めている。
- 外部講師については、学校が個別に探している。教員の顧問がいないと部活動にはならないため、技術的な指導をお願いしている。
- 各部活動の休養日の状況は、把握できていない。
- 本市においても、教員による「部活動あり方研究部会」が立ち上がっており、課題の整理を行い、今年度中に提言を予定している。
3 主な意見
市長
現在10歳の子ども達は、100歳まで生きる人が5割いると予測されている。現在の教育のあり方は、人生60年が前提となっており、前提条件の考え方を変えていかなければいけない。
大人達は、ワークライフバランスと言っているが、生徒達は、学校で勉強して、部活動をして、終わった後に塾へ行ってと、ワークライフバランスは関係ないのかと思ってしまう。
委員
教育委員になる前までは、部活動を指導する教員は、当然、経験者だと思っていたし、教員の多忙な状況も考えず、部活動はもっと長くやってほしいと考えていた。こういう意見の保護者が多いのも事実である。
委員
教員自身が、経験のない部活動を指導することは、大きなストレスになっていると思う。部活動の顧問を引き受けることは、絶対条件ではないが、引き受けないと職場で孤立するのではという不安があると思う。ある自治体では、希望する教員を集めて、土曜日に指導方法を伝授する場があると聞く。本来休みである土曜日に研修の場を設けることは、多忙化の解消に逆行しているかもしれないが、そうした研修の場を設けてもいいのではないか。
委員
教員の中にどれだけ経験者がいるか、経験のないものを教えている教員がいるのか等、部活動の現状を把握したい。
なかなか難しいかもしれないが、同じ中学校に経験した教員が複数いるならば、そうした情報を市内の学校間で共有し、教員を他校に派遣し、連携できると良い。
教育長
部活動の顧問について、「私はやりたくない」とは言えないのが現実。
部活動は生徒の自主的、自発的な参加により行われるもので、学習意欲の向上や責任感、連帯感を培うのが本来の目的であるが、子ども達や保護者は、達成感や勝負の勝ち負けを求め、教員が積極的に関わって当然という風潮がある。
委員長
本市の教育大綱の教育理念には、「人間力を育む」とある。人間力とは、コミュニケーション能力、リーダーシップを培う、人の話を素直に聞ける、公共心、規範意識、切磋琢磨する心、反省や振り返りができる、奉仕の心がある等であり、これら人間力を育むために部活動があるともいえる。
地域共存で、地域の人が部活動を教えることも考えられるが、経験者がいても、子ども目線で人間力を高められる指導者は少ない。経験者=指導者ではない。子ども達の人間力を高められる指導者を、今から育てていく必要がある。検討しているだけでなく、できることからすぐに始めることが必要である。
市長
今の社会は、あらゆる人が忙しい。マザー・テレサは、「日本は恵まれていない。なぜなら、みんな忙しく、必要とされていない。」と言っていた。今まで学校では、答えがあることを子ども達に教えてきた。私は、部活動は本当に必要なのか、そこから考えても良いと思っている。正解がない部活動についてみんなで考えることは良いことである。
委員
長時間、部活動を行う教員は、子どもにとって熱心で、良い教員だという風潮があるのも確か。
委員長
全国大会で上位に入賞した三重県の高校駅伝部では、顧問の教員が、必要な練習メニューを提示し、子ども達が、その中から自分に必要な練習を選択している。自分で考えるとしっかりやるようになる。技術だけでなく、生活態度を教えられると、部活動の成績も良いことが多い。生活態度まで指導できるよう教員自身も経験を積む必要がある。
委員
教員の中には、授業だけでなく部活動も通じた1日の生徒の姿を把握したいと考えている方もいると聞いている。
委員長
地域の総合型スポーツクラブを部活動の受け皿にする議論もあるが、全国的にはあまり上手くいっていないと聞いている。
委員
現在時点で、地域の人が、部活動の指導者として係わるための機会がないのであれば、学校の教員とそうした地域の人を集めて、部活動の指導について学び、情報を共有する場があると良い。
教育長
部活動は、人間関係を構築できるような指導を行うべきである。
市長
部活動が必要ということであれば、教育大綱の「地域共存」の教育理念に立ち戻って考えていただきたい。
地域の人から指導者を見つけるのが難しいというならば、指導者になれる人を今から育てていかなければならない。行政でやれることは何か、学校からも何が必要か意見を出してほしい。
教育長
先進事例では、地域と学校をつなぐ、コーディネーター役の市民がいた。こうした役割を担う市民を育てられると良い。学校は、地域にこれをして欲しいということを主体的に発信すべきである。
委員長
指導要領にある以上、部活動は変えられないので、部活動をどう行うかを指導者の育成を含めて考え始めることが必要である。今から始めても実践できるのは、3~4年後となる。
委員
教員の多忙化解消のために外部講師を導入した場合、教員は人間力も含め教育したいと考える一方で、外部講師は技術力アップをしたいと考えるのでは。教員が外部講師とのに関係にストレスを感じてしまっては、本末転倒である。
教員の考え、地域の考え、行政の考えは、それぞれ違うはずなので、それをどう連携していくかが課題である。
委員長
目指す方向、目標の言葉を1つに統一し、それぞれが共有しないと、混乱する。
委員
近い将来、人工知能(以下、「AI」という。)の進化により、多くの仕事がAIに取って代わられると予想されている。勝ち負けだけを目指すなら、将来的には部活動の指導はAIで済むかもしれない。でも、「それでいいのか?」と感じる人は多いと思う。
委員
生活の中で感じ取る感覚を大事にしないと、人間力は向上しない。部活動も一緒であり、人と人との関係を築く経験は、何物にも代えがたい。
地域の指導者の育成を進めるべきである。それが教員の多忙化解消につながると思う。また、広域で指導者研修できるように県に要望してみてはどうか。
委員長
やれることは、国や県の指示を待つのではなく、すぐに行っていくことが必要である。
委員
今の子ども達を見ていると、すぐパソコンに頼り、自分で選択することができるのか心配である。子ども達が、自主的、自発的になれる部活動となってほしい。
市長
昭和40年代は1万人のまちが、一気に約6万人のまちになった。人が集まっただけで、人々は疎遠である。みんなが孤独なので、地域の中に自分の役割と居場所を持っていただけるようにしたい。疎遠なまちが、こうした機会を捉えて、お互いに知り合える場にしていきたい。
地域の経験者の掘り起し、その人達への指導者研修について、教育委員会で引き続き、検討をお願いします。
当日資料
平成28年度第3回長久手市総合教育会議次第 (PDFファイル: 65.9KB)
この記事に関するお問い合わせ先
市長公室 企画政策課 政策推進係
〒480-1196 愛知県長久手市岩作城の内60番地1
電話番号:0561-56-0600
ファックス:0561-63-2100
メールフォームによるお問い合わせ
- このページに関するアンケート
-
より良いウェブサイトにするために、このページのご感想をお聞かせください。
更新日:2020年11月30日