第2回長久手未来まちづくり懇話会

更新日:2020年11月30日

会議詳細

開催日時

平成27年2月20日(金曜日) 午前10時から正午まで

開催場所

市役所北庁舎2階第5会議室

出席者氏名(敬称略)

植松 良太 委員
大庭 卓也 委員
川合 保生 委員
久保田 健一 委員
小林 英雄 委員
近藤 鋭雄 委員
佐藤 啓二 委員
下崎 一洋 委員
高柳 友子 委員
谷沢 明 委員
細川 修 委員
望月 彰 委員
市長 吉田 一平
(コーディネーター)
井澤 知旦 氏
(長久手市)
副市長 鈴木 孝美
参事 桑原 良隆
(事務局)市長公室長 鈴木 裕
 政策秘書課長 日比野 裕行
 同課長補佐 嵯峨 寛子
 同係長 浅井 紳一郎
 同主事 寺島 卓哉

欠席者氏名(敬称略)

加藤 義郎 委員

審議の概要

将来課題の抽出

公開・非公開の別

公開

傍聴者人数

8人

問合先

政策秘書課政策調整係 56-0634

会議録

 1 市長あいさつ

 先日、大阪の公立の小学校に視察に行った。発達障がいの子ども達を受け入れており、1年生から6年生がグループに分かれて話し合っていた。6年生の子達が「行動で示す」と、「先生に頼らない」、「しんどいことは自分から進んでやる」この3つができないと卒業ができないと言っていた。この学校では、発達障がいの子達と同じクラスで学校生活を送り、授業が成り立っている。いろんなことを考えさせられた。

2 前回の振り返り

コーディネーター

前回議論されたことをまとめると、次のようになる。

  1. 少子高齢社会の中、高齢者や若者など人材を生かす。
  2. 自然、社会資本を生かす
  3. 長久手で住む、働くうえで誇りが持てるようにする(シビックプライド)

その他、コミュニティ、いかに住みよい街にしていくかという意見が出された。

その中で、共通するキーワードとして「健康」「福祉」「情操」がそれぞれのキーワードにかかってきて、健康日本一、福祉日本一、情操日本一というくらいのものを目指すと。

さらに、35年後の将来を見据えると、若者の参加が必要ではないかという意見も出た。

事務局

第1回の意見を受け、以下の2つの取り組みを考えている。

3つの中学校の2年生を対象に作文を書いてもらう。

市内在住の20~30代の10名に集まってもらい、座談会を3月上旬に開催する。

作文と若者の懇話会で出された意見を集約・整理し、第3回懇話会でお示ししたい。

3 資料に対する質問

委員

「ながくて幸せ実感アンケート」については、N=(イコール)1,871となっているが、どのように調査を行ったのか。

事務局

無作為抽出により、市内在住18歳以上の5,000人を無作為で抽出し、有効回収数が1,871件ということである。

委員

「ながくて幸せ実感アンケート」で「幸せ感の点数」は、全国と比べて1ポイント高いのはよいことだが、何が評価されたかをわかる範囲で教えていただきたい。

事務局

幸せ感全体で1ポイント高いということで、具体的に何が評価されたかまでは分析できていない。

委員

商業やサービスに関する指標がないのはよくないと思う。市民生活の中での行動として買い物から始まる。わざわざそういうデータを外したのか。例えばデータ的に西の方が商業は集積しているなど、現状を示すだけでも意味があるのでデータを加えてほしい。

委員

名都美術館やトヨタ博物館など民間の文化施設もいい資源があり、街とどのように関わるかの視点が抜けているのではないか。

委員

コミュニティの資料の中であった「まちづくり協議会」について説明をいただきたい。何か背景があってこういうことをやっているのか。

事務局

自治会の加入率をご覧いただいたが、50%を切っている地区や、マンションが多いところでは管理組合単位でしか加入されていないなど、住民が自治会に加入しているという意識が薄くなってきて、実際の加入率はもっと低いと思われる。便利な地域ではあるが、いざ災害が起こると誰も助けてくれないという地域になってしまう可能性がある。地域の各団体、自治会、子供会、シニアクラブなどが行政の枠組みとして縦割りで動いていて、それではまずいだろうと地域の中で連携し、地元の課題を自分達で解決していく組織としてまちづくり協議会を育てていきたいという思いが行政側にある。これから進めていきたいと考えている。

委員

「健康・福祉・情操」というキーワードについて、抜けているキーワードとして「教育」がある。「情操」は人によってとらえ方が違うので、代わりに「文化」としたらどうか。

委員

「ながくて幸せ実感アンケート」で「幸せ感の点数を選んだ理由」における「生活インフラ」は幅広い概念だと思う。買い物、病院、交通なども含んでいると思うが、概念としてわかりにくい。それらをトータルして20代の評価が高いのではないか。

事務局

アンケートの中では、買い物、交通、インターネットなどのコミュニケーションツールも含めて生活インフラと定義している。

3 意見交換

コーディネーター

これから8月にかけて全6回を予定している。今日はその2回目で、課題の抽出をテーマとしている。長久手に関する課題についてご意見を伺いたい。

委員

他の都市と比べれば長久手は恵まれていると思う。気になるのは、コミュニティをどう築くかという問題があると思う。商業でいえば、単にモノを売ればいい時代ではなくなり、店頭の横にお茶やコーヒーを飲めるスペースを設けることにより、若い人やお年寄りも使うスペースとなった。さらに、ITの発達により今やカップルが喫茶店でスマホを使っている状態で企業としても危惧している。明らかに若者のコミュニケーション能力が低下している。学校もガチガチの教育をしているが、どこでコミュニケーションの教育をするのか。

コミュニティでいえば、自分が住んでいる地域で町内会長をしている。さらに、まちづくり協議会が既にあり、その活動もしている。自分が住むまちの文化やコミュニティに気づき、いい経験になっている。今後重要なのはハード的なことではなく、コミュニティ・コミュニケーションづくりがすべての根底ではないか。

委員

平成子ども塾に参加している子どもの親へのアンケートをとったところ、「子どもがいきいきと体験したことを話すようになった」などいい意見が出ていた。子どもが文化を学ぶいい体験の場になっているのではないか。文化に関しては伝統的なものもあり、自然の良さもあるが、そうしたものをどのように引き継いでいくか、あるいは新しいものを加えていくかが課題だと思う。

コーディネーター

大学では学生のコミュニケーション能力が大問題となっており、社会に出ていくにあたって企業からも指摘を受けている。そのため、現場で学ぶというカリキュラムを通じてコミュニケーション能力の向上を図っている。

委員

観点は違うかもしれないが、若者が一つのキーワードだが、2018年に18歳人口と大学の定員がクロスする、定員割れを起こすことになる。どうやって定員を確保するかが大学の課題となっている。長久手もただ待っていれば若者が(大学に)来るという時代ではなくなっていることを意識しなければならない。ここにある大学も見える形で連携し、自治体も連携しながら全体として課題を検討・共有していくことが必要だと思う。

コーディネーター

2018年問題は大問題で、長久手では若者を地域全体で育てていくという視点が必要だというご指摘と思う。

委員

小、中、高、大と各年齢の学生を受け入れているが、年齢が大きくなるにつれて教育の中でやる気がそがれ、つまらない大人になっているというのが実感で、その中でコミュニケーション能力が低下していると思う。

長久手の大学の子達はとても元気だと、使えるぞと言われるような教育環境になれば。これからの未来を背負って立つ、そんな教育をしていただきたい。小、中からガチガチな教育では子どもは育たない。生産年齢人口は65歳以上からではないかと思うくらい、若者よりもシニア層の方がよっぽど元気である。せっかくいい環境が整っているところを、具体的な取り組みをしていただきたい。

素朴な疑問として、大学に行くのも親元で、となるとますます使えない大人になる。そうではなく、よそに飛び出して将来長久手に帰ってきて背負って立つということも認めるべきではないか。人材をとどめるのが多くの自治体の方針だと思うが、それとは違う視点がありうるのではないか。

コーディネーター

18歳人口が少なくなる中、学生がお客さんになっており、教育が難しい時代になってきている。

市長

外に出て行った若者が将来戻ってきてくれることは重要だと思う。コミュニケーション能力という点ではあいさつが重要だと思う。地域のみなさんがあいさつをするようになれば泥棒も入りにくいし、それをまず役所の人間が率先してやるということ。落ち葉が落ちていたら自分達で掃除するのではなく、すぐ役所に連絡してくる時代。

農のある暮らしを進めている東京大学高齢社会総合研究機構特任教授の秋山弘子さんという方の話では、一人、一月に一時間、自分の住んでいるまちのために活動をする取組を、全国に広めようという活動をしている。大人から始めるのは難しいから、子どもから始めようとしている。

委員

大学の時代によそに出て自活をすることは有効だと感じている。話ができる学生は自宅を出て苦労している子達である。指示待ちで、コミュニケーションができないのは自活していない学生が多いと感じている。

グローバルな時代になってきて、外国人の居住についても考える必要がある。

企業に勤める単身(赴任)の人達は長久手に住まない。交通や生活の利便性は名古屋市の方がいい。食と足(車を持っていない)の問題があると思う。家族の人達も名古屋市が利便性を理由に半分くらいの割合で住み、残りについて最近は日進市が人気で、長久手だと家賃が高いという理由があると思う。

委員

前回にも健康寿命の延伸という話をさせていただいた。健康寿命を延ばすことで、高齢者の医療費を削減して、残りを若者に回すことになる。先日開催された市内の視察に同行したが、都市環境が整い、自然環境も充実した中で、裸足で歩く園児達を見て、長久手の子ども達の将来に期待が持てた。一方、大学生のコミュニケーション能力が低下しているのは、小学校、中学校の時からの教育の中で学んでこなかったことが問題だと思う。今から35年後の2050年となると若者も自然に淘汰されており、これらのことに関心を持ってこの懇話会に参加していきたい。

委員

従来型のマスコミからの情報発信と、近年はインターネットやLINEなどによるコミュニケーションや情報受発信と時代が変わってきている。その中でメディアリテラシー、あるいはITリテラシーへの教育が重要だと思われる。インターネットやLINEなどネット環境の発達は、自分達の都合のいい情報だけを取り出すようになり、コミュニケーション能力不足は若者だけの問題でなく、国会議員ですら語彙(ボキャブラリー)不足が散見される世の中になっている。

長久手市民が将来に向かって幸せな人生や自治体づくりをしていくことを私なりに考えてみると、ベーシックな部分が何かに向けて収れんしていくこと、例えばコミュニケーション能力、教育、情操、健康、自然など様々なものが何か一つのものに向かって収れんし、グローバルに向けて長久手が輝くものが描ければ最高だと思う。

例えば、瀬戸内海に浮かぶ直島は国内に向けて芸術文化・アートを発信しているし、埼玉県の熊谷ではビデオフェスタが行われる街として知られている。浜松は楽器で有名でジャズのイベント、岡崎でもジャズのイベントがある。長久手は一つ一つが日本に誇れる施設があり、それらを有機的に絡めることで、健康、情操といったキーワードが何か一つのものに収れんしていけばと思う。一本背骨を通すという意味で考えてみた。

コーディネーター

長久手で一つに収れんしていくという点について、何かイメージを持っていらっしゃるのか。

委員

例えば大学・研究所の集積を生かした「知」でもいいし、文化施設の集積を生かした「文化」を売りにしてもよい。名古屋には上演する施設が少なく、例えば、文化の家のホールを使ってめったに長久手に来ないアーティストを呼べる今がいいチャンスだと思う。明治神宮外苑で行われるトヨタ博物館のクラシックカーのパレードは有名だし、全国から人が来るイベントを行うようになると、お店や交通機関でお金を落とすと思う。

あるいは、かつて中津川でフォークソングの野外コンサートがあったように、モリコロパークを会場に全国規模の野外コンサートをしたらどうか。長久手といえばこれだと言えるものができると良い。一つのテーマでイベントを形成し、老若男女をイベントの中に組み込むことで、市民の自発的なイベントが行われるとともに、いろんな世代が交流しコミュニケーションの機会が増えるのではないか。

委員

タイのチェンマイ大学に行った時に印象的だったのが、誰と合っても合掌をする。(先ほどからコミュニケーションが話題になっていたが)相手を敬うという意味で印象的だった。

隣の瀬戸市に県の陶磁美術館がある。施設自体が素晴らしいし、世界でも有数の収蔵品を持っているが、集客ができていない。文化のつながりでいえば、市内にある名都美術館、トヨタ博物館の他、市外にも陶磁美術館、あるいはボストン美術館、徳川美術館もあり、名古屋近郊に素晴らしい美術館もあるので、市外に目を向けて連携をし、愛知県全体のレベルアップを図り、その中心に長久手があってほしい。

委員

先ほど、長久手から人材が出ていくという話をさせていただいたが、最終的には長久手に戻ってこないというのも認めていいのではないか。長久手出身ということを誇りを持って世界中で語ってくれた方が、長久手のためになるのではないかと思う。自分の娘達には名古屋に戻ってこなくてよい、と言っている。

当初、吉田市長が就任された時に「木を切る、切らない」問題があって、グラウンドをつくる時に議論になって、最終的に市長が「木を切るんだったら自分達で切ったらどうか。木を切る意味を考えてほしい」と言われた。そういうリーダーがいて、それを見守る職員がいて、熱い思いを持った人達がいることが素晴らしいと思う。そういう大人達がいることを子ども達に伝えるべき。そういう環境にあってほしい。

委員

北海道の斜里町というところがあって、1970年代に廃村になったところを土地が買い占められてしまい、それを取り戻そうと日本でのナショナルトラスト運動の走りの動きがあった。「100平方メートル運動」といって、100平方メートルの土地代が7千円で、土地を買うのではなく「夢を買おう」というキャッチフレーズをつけ、全国、海外からも購入された。今も「100平方メートル運動」は続いているが、その一方で買い占められた土地は開拓地だったこともあって木が伐採されており、そこを植樹する活動も行われている。運営は町が財団を作って行っているが、財団で働いている人が(北海道大など)全国から集まってきている。1970年代の想いを持った人達のDNAが次の世代に受け継がれている。人が集まってくるのは、自分達が夢を描けることが重要だと思う。長久手がワクワクさせるフィールドになるとよい。

委員

農業で言えば、用水は愛知用水、香流川、ため池からの取水でまかなっているが、長久手の場合山が浅くて保水能力がないので、少しでも保水能力を高められないかと思う。また、ため池は河川の水量の調整に役立ち、生き物のすみかを伴っており、堰堤を作るなど環境整備をしていただければと思う。

委員

名古屋市側から長久手市内に入ってくる時に看板がないと実感する。どこからが長久手か、さらには今自分がどの市にいるかが分からないことがある。安っぽい看板ではダメだが、デザインをしていいものを設置するなど、プロモーションの視点を持つべきだと思う。もっと自己アピールをするべき。

委員

先ほど、「木を切る、切らない」というエピソードの話があったが、元々1万人の町だった所で木を切って区画整理をして、家が建って人を受け入れてきた。木は切るなではなく、どう配置するかが重要だと思う。公園西駅も芸大通り駅の所も木を切って開発されるが、そこに住宅が建てられ人が入って来てくれればよいことだと思う。

今後、18歳に選挙権が与えられるとどうなるかが話題になっている。いろんな考えを持っていると思うので、どういう方向に導いて行くか、一方向に向けていくのは無理だ、などと議論をしているところ。

まちの場所をどのように認識させるかという点について、名東区に近いところで、名古屋の市会議員の新人候補が演説を始めた。マンションの名称も藤が丘の名称がついたものが長久手市内に立地している。(長久手をもっと意識してもらえるようにしていくべきだと思う)

委員

前提条件として、コミュニケーション能力が落ちている。今から35年というと、社会が劇的に変わっていると思う。例えば自動運転の研究が進み、車そのもののあり方が変わっているかもしれない。携帯電話についていえば20年前にみんなが持ち始めたが、今やテレビ電話で会話ができ、バーチャルでコミュニケーションが取れるようになった。買物もかなりの割合でネット販売が進んでいる。となるとまちの存在意義は何だろうとなってくる。

一方、人は生身の人間として生きていくわけで、人としての力強さやそれを支えるスタイルを持っている地域がよりいっそう輝く可能性がある。日本全体の社会情勢が厳しくなる中、長久手の将来に人の力を支えるアイテムが揃い、長久手から出てくる人は元気がいいと評価されるよう、全国のモデルになるまちを目指すべきだと思う。少し大きめの意識も長期ビジョンをつくるにあたって持った方がよいと思う。

コーディネーター

今日話題になった「若者の教育」がまちづくりのあらゆる局面で関わってくると思う。長久手には「まち」「里山」「農業」などバランスよくあるという特性を活かし、若い人の「人育て」をしていくべきと思う。住んでいる人の能力を総動員で人育てをするとなると、その「場づくり」が重要だと思う。

その一つとして、全国に誇れるイベント開催するという意見が出ていたが、老若男女がイベントの運営に関わり、その中から交流が生まれる可能性がある。その中からリーダーを見い出していく。

抽象的かもしれないが、「夢が描けるまちづくり」という視点がヒントになると思った。

以上

当日資料

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ファックス:0561-63-2100

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