脳外傷と高次脳機能障がい

更新日:2020年11月30日

1.脳外傷とは?原因は?

 交通事故などで、頭を強く打ったり、頭を強く「ゆさぶられる」ことによって、脳が傷つき、部分的に脳の働きが停止することがあります。これを脳外傷といいます。

 脳が損傷される原因には、

  1. けがによるもの…交通事故や転落、暴力による頭部への打撲など
  2. 脳の血管に障がいが出るような病気によるもの…脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など
  3. 酸素不足によるもの…水の事故など

 があります。

2.脳外傷になると起こる障がい

 脳外傷による主な障がいは、

  • 「手足のまひ、言葉が十分に出ない」などの身体障がい
  • 「見たことや聞いたことを忘れる・同時に二つのことができない」など注意や記憶に関する認知障がい
  • 「怒りっぽくなって周りの人とトラブルを起こす」などの社会的行動障がい

 がありますが、これらのうち認知障がいと社会的行動障がいを総称して「高次脳機能障がい」といいます。

3.脳外傷のつらさ・大変さ

 これらの障がいはさまざまに組み合わされ、一人ひとり異なって現れてきます。特に注意や記憶、行動の障がいは、家庭・社会・職場(学校)生活へ戻る際に大きな支障となります。また、外見からは分かりにくいため、学校や職場でイジメの対象になったり、家庭生活ができなくなったりと、大変な思いをされている人が多くいます。

困っていること、知って欲しい事

 家庭など落ち着いたところでは症状は目立たないのですが、職場など緊張をともなうところで症状がでることがあります。
 (例)「ひとつのことが続けられない」「同時に二つのことができない」「気が散りやすい」などの「注意」に関しての障がいがあるため、「作業が遅い」「仕事をまかせられない」と思われたり、「人の顔や名前、場所」「約束や予定を忘れる」などの「記憶」の障がいがあるため「あてにならない人」とされたりしてしまいます。

 当事者が自分の障がいに気づかず、周りの人も障がいに気づかず、両者の戸惑いや誤解から、トラブルを引き起こすことも多くあります。
 (例)車の事故を起こし、どうしていいか分からずに逃げ帰り大きなトラブルになったり、だまされて高額な契約をさせられたり、金銭的なトラブルで裁判になったりすることがあります。また、コンビニなどで商品の説明を繰り返し聞いてうるさがられ、トラブルになることもあります。

 脳外傷になっても、習慣や技能のような体で覚える力は比較的保たれています。
 行動をパターン化し、繰り返し習慣化するとできることが増えていきます。
 携帯電話のメールやメモ、アラームなどの機能を使ったりすることで、記憶の障がいを補うようにしています。

ソフト面での望ましい支援

  • 本人がどのような障がいなのか、自分で障がいを認識できるよう細かなアドバイスと生活面でのハンディキャップの代替手段をおぼえるための支援が必要です。
  • 家族をはじめ周囲の人たちも障がいを正しく理解し、「問題となる行動を未然に防ぐ対応」が求められます。例えば、行動障がいの顕著な人には、見守りながら本人の刺激となるような事柄を回避する支援が必要です。また、通常と異なる場面や状況に遭遇すると困惑してしまうことがあるので、声をかけ、具体的にどうすればよいかをアドバイスしたり、メモに書いて説明します。
  • 学校や職場では、特に関係者の理解と協力が必要となります。そのための細かな支援体制が必要です。学校では、教員や友人のなにげない一言や対応が、パニックを引き起こしたり、引きこもりの原因になったりするので、障がいへの理解と対応への協力が欠かせません。

この記事に関するお問い合わせ先

福祉部 福祉課 障がい福祉係
〒480-1196 愛知県長久手市岩作城の内60番地1

電話番号:0561-56-0614
ファックス:0561-63-2940

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