(令和7年2月10日開催)令和6年度長久手市総合教育会議

更新日:2025年03月03日

会議詳細

開催日時

令和7年2月10日(月曜日)午後3時15分から4時45分まで

開催場所

市役所本庁舎 第4会議室

出席者氏名(敬称略)

教育委員 川上 雅也

教育委員 細川 修

教育委員 安藤 京子

教育委員 宗 絵美子

教育長 大澤 孝明

市長 佐藤 有美(議長)

(事務局)

市長公室長 日比野 裕行

同部次長 浅井 俊光

企画政策課長 山本 一裕

同課政策推進係長 千葉 あい

教育部長 山端 剛史

同部次長兼教育総務課長 若杉 玲子

同部指導室長 福岡 和

くらし文化部生涯学習課担当課長兼文化の家館長 生田 創

欠席者氏名(敬称略)

なし

審議の概要

「学校教育に対する考え方について」

公開・非公開の別

公開

傍聴者人数

0人

問合先

長久手市市長公室企画政策課 0561-56-0600

会議録

1 あいさつ

(市長)

近年、子どもを取り巻く環境には多くの課題が見られる。特に健康面に関しては、全国体力テストの結果を見ると、愛知県の小中学生はいずれも全国平均を下回り、小学生男子は最下位という厳しい状況である。背景に食生活の乱れやスマートフォンの普及による運動不足が原因として挙げられている。また、不登校や引きこもりの増加により、子どもたちの心理的ストレスや孤立感が深刻化している。このため、学校だけでなく地域や家庭との連携が必要不可欠だと考えている。

加えて、子どもたちの健やかな成長には文化芸術への触れ合いも重要だと考える。私は「文化の家での舞台劇や音楽、アートの鑑賞機会を増やす」「保育園や小中学校で文化芸術鑑賞会を開催する」ことを公約に掲げている。これまでの取組として「であーと」や「学校鑑賞公演」などが実施されてきたが、さらに文化芸術を教育やまちづくりに活かしていきたいと考えている。

本日は「子どもの健康」や「学校教育での文化芸術の活用」を中心に、幅広いご意見をいただければと考えている。

 

2 議題「学校教育に対する考え方について」

⑴ 学校教育における文化芸術の役割について

(市長) まず、学校教育における文化芸術の役割について話をさせていただく。資料にもあるとおり、本市では文化の家でさまざまな教育関連の取組を進めている。学校で全員が文化・芸術に触れる機会を持つことは重要であり、私の公約にも掲げている。例えば「であーと」という事業では音楽演奏を行っており、先日は朝礼の時間に日本舞踊の出前講座が実施された。子どもたちも関心を持って見ていたと聞いている。今後もこのような機会を増やしていきたい。 これまでは音楽の取組が中心だったが、今後は美術の分野も推進していく。例えば、古戦場の再整備の一環として合戦絵屏風の制作を進めており、壁画を残す技術の継承にもつながると考えている。また、日本は文化芸術にかける予算が少ないが、姉妹都市であるワーテルローでは、市の財源の一定割合を文化芸術に充てるという規定がある。本市としても参考にしながら、文化芸術の振興に努めていきたい。

(委員) 本市は住環境が整っており、質の高い文化芸術を体験できる環境がある。このような取組を継続していくことが大切だと考えている。文化の家の取組も素晴らしい。昨年、東小学校で日本舞踊についての出前授業が実施された。実際に本物の所作を目の当たりにした子どもたちにとって、非常に良い経験になった。また、愛知警察の音楽隊による演奏会が市が洞小学校で実施されたが、長久手市出身の方が参加しており、印象的だった。子どもたちが本物を目に焼き付けることは、成長に良い影響を与えると考えている。今後も各小学校で実施していただきたい。

(委員) 私は「食を通じて人を元気にしたい」との思いで活動してきたが、食だけでは心を満たすことができないことも実感している。本市には文化の家があり、芸術活動を広げる機会がある。文化の家は現在休館中ではあるが、その間も子どもたちに寄り添う活動を続けてほしいと考えている。学校の授業時間だけでなく、商業施設や児童館など、学校以外の場でも芸術に触れる機会を提供できれば良い。特に子育て世代は日々忙しく、心の余裕が持ちにくいと感じる。そのような中で、芸術を通じて心の豊かさを提供できる環境があれば、本市に住む価値がさらに高まるのではないか。

(委員) 12月に文化の家で「長久手おやこ劇場」が主催した「12人の怒れる男達」の舞台に、多くの子ども達が来ており、多くの子どもたちや保護者が本物の芸術に触れる機会を持つことの大切さを語っていた。私自身も、音楽の先生がクラシックギターを披露してくれたことが音楽に興味を持つきっかけになった。このように、小中学校での芸術体験が子どもたちにとって重要だと考える。また、障がい者施設でも芸術活動が活発に行われており、ニューヨークに出展した作品が高額で売れることもある。芸術の場を提供することが大切であり、大人が積極的に支援することが重要だと感じている。

(委員) 芸術系の教育現場で指導してきた立場から言うと、先日の二十歳の集いでのトランペットのファンファーレは素晴らしかった。文化の家の柔軟な対応により実現したものだが、非常に良い取組だった。本市には県立芸術大学があるため、年齢が近い学生と子どもたちが触れ合える機会を設けることも意義があると考える。 私自身、小学生の頃は絵画教室に通っていたが、最初はあまり乗り気ではなかった。しかし、コンテストでの受賞を経験したことで自信が生まれ、中学では先生に彫刻を褒められることでさらに興味が広がった。こうした経験からも、子どもの個性を伸ばすためには大人が目をかけることが大切だと考えている。また、芸術教育を通じて、他者を尊敬する姿勢や感性を育むことができる。

(委員) 私はもともと長久手市の住民ではないが、本市は文化・芸術に触れる機会が非常に多いと感じている。しかし、家庭によってはまったく触れる機会のない子どももいるため、学校で一律に機会を提供することの意義は大きいと考える。特に、体験格差が広がる中で、学校がそのギャップを埋める場になっていることが素晴らしい。 また、先日、学校で棒の手を教える機会があり、棒の手に触れた小学校3年生の女の子が「やってみたい」と申し出たという話を聞いた。実際に体験することで興味が芽生え、新たな可能性が広がる。地域に多くの陶芸家や芸術家がいることも本市の強みであり、そうした人材を学校で活用できる機会を増やしてほしい。

(市長) 教育長が文化芸術に関心を持っていることは心強い。新たな取組があれば積極的に提案してほしい。また、委員の「食べるだけでは心が満たされない」という言葉が印象的だった。

文化芸術を通じて心を豊かにする取組を進めていきたい。委員のギターの話や、障がい者のアート制作の話も興味深かった。障がい者のアート展示などを市として支援するのも面白いと考えている。 委員が指摘した二十歳の集いのファンファーレについても、私自身も印象深かった。文化芸術が子どもにも大人にも有意義な教育の一環であることを再認識した。文化芸術の振興を進めることで、「文化芸術のまち」としての魅力をさらに高めていきたい。

⑵ 子どもの健康づくりについて

(市長) 近年、スマートフォンが子どもの学力に影響を与えているというデータがある。学力がすべてではないが、不登校の子どもが増えている現状を見ると、スマートフォンの普及時期と重なる部分があることは否めない。これは仮説に過ぎないが、いじめの要因の一つになっているとも聞いている。

先日、北の共生ステーションを訪問した際、フリースペースにいる子どもたちの多くがゲームに夢中で、ほとんど会話をしていない様子を目にした。共生ステーションに限らず、ゲーム以外で友達と遊べる機会を提供することが必要ではないかと考える。

また、朝ごはんを食べる習慣についての調査では、9割以上の方が食べていると回答し、中学生でも8割以上が食べていることが分かった。想定より良い数値であるが、引き続き指導を強化していきたい。

給食の残飯については、中学生の娘からも、給食や牛乳が余っているという話を聞いている。牛乳の処分に年間340万円ほどかかっているおり、課題だと捉えている。

また、体力テストの結果が思わしくないことについて、新たな取組として「テニピン」を導入したと聞いている。誰もが参加しやすい環境が整うことを期待している。

(委員) 義務教育の9年間はスマートフォンの持ち込みを禁止しているが、子どもたちは習い事などで忙しく、遊ぶ時間もゲームが中心になっている現状がある。

テニピンの普及については、校長会で賛同を得られた学校で導入が始まり、最初に東小学校で取り組まれた。当時、東小学校の校長であった福岡指導室長の意見を伺いたい。

(指導室長) 従来のネット競技のバレーボールなどは、ラリーを続けるのが難しく、子どもたちがなかなか楽しめない面があった。しかし、テニピンはラリーが続きやすく、その点で非常に優れていると考える。

(委員) 今後もテニピンを継続的に実施し、検証結果を出せるように取り組んでいきたい。

(委員) 食育の問題は永遠の課題であり、先日の食育会議では、牛乳を2~3時間目の休み時間に飲むという提案をした。給食が残る最大の原因は、給食の時間が短いことであり、食べる時間も遅く感じる。特に米飯給食に冷たい牛乳は合わず、味覚を育てるという意味でも影響がある可能性がある。例えば、食べ残った白ご飯を塩むすびにすることで、食べ残しが減る取組を実施しているところもある。

また、朝食の重要性についても、単に食べるかどうかではなく、「何を食べるか」が大切である。家庭での食事環境を整えることが重要となり、健康な体を作ることへの情報提供の支援が求められる。

テニピンについても、まち全体で取り組めるように、小学校を開放し親子で参加できる場を作るのが望ましい。

スマートフォンの使用については、学校で禁止しても家庭で使用されるため、家庭の意識改革が重要である。適切な時間制限を設けることで、生活習慣を整える必要がある。

(委員) スマートフォンと学力の関係は以前から指摘されている。また、新聞を取らない家庭が増え、スマートフォンでニュースを読む子どもが多くなっているが、自分の興味のある情報だけを見る傾向が強まっている。一方通行の情報収集にならないよう、大学では学生に「今日のニュース」を発表させる取組を行っている。

また、子どものなりたい職業として、1位がYouTuber、2位がeスポーツ選手となっており、体を使う職業の人気が低下している。これが将来的な人手不足につながる可能性もある。

(委員) スマートフォン依存が深刻化している。情報を得るのは良いが、時間を制限しないと悪影響を及ぼす。親がしっかり管理することが必要である。また、遊ぶ場所が減っている現状を考慮し、子どもたちが外で遊べる環境を大人が作ることが重要である。

テニピンについては、特別な道具を揃えなくても実施できる点に可能性を感じる。

(委員) 共生ステーションでは、ゲームを禁止してもWi-Fiを使って外でやってしまうという結果となった。そのため、ステーション内でのプレイを許可する形になったが、せめて友達と一緒に楽しめる環境を作ることが重要である。

また、スポーツ鬼ごっこなどを実施すると、子どもたちは非常に楽しんでいる。テニピンを含め、体を動かす機会を増やす取組を進めていくべきである。

(市長) 委員の指摘の通り、学校ではスマートフォンを制限しているが、家庭では管理が難しい現状がある。その中で、テニピンのような活動には大きな可能性を感じる。

委員の提案する牛乳の飲む時間の見直しについては、ぜひ教育委員会で議論してほしい。給食時間の短さは私自身も課題と感じている。塩むすびの話も興味深く、実態を調査する必要がある。

スマートフォンがコントロールできない子どもがいるという点は印象的であり、社会的な課題として認識している。

(文化の家館長) 長久手市の「であーと」は20年続いており、体験した子どもが芸術家になって戻ってくるという良い循環が生まれている。こうした取組を今後も継続していきたい。

3 その他

なし

議事が全て終了し、市長から閉会のあいさつがなされた。

 

資料

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 企画政策課 政策推進係
〒480-1196 愛知県長久手市岩作城の内60番地1

電話番号:0561-56-0600
ファックス:0561-63-2100

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