(令和5年3月22日開催)令和4年度長久手市総合教育会議

更新日:2023年05月11日

会議詳細

開催日時

令和5年3月22日(水曜日)午前10時から正午まで

開催場所

市役所北庁舎2階 第5会議室

出席者氏名(敬称略)

教育委員 安藤 京子
教育委員 細川 修
教育委員 川上 雅也
教育委員 宗 絵美子
教育長 大澤 孝明
市長 𠮷田 一平(議長)
(有識者)
一般社団法人ジェイス 代表理事 武田 信子
(事務局)
市長公室長  日比野 裕行

企画政策課長 山本 晃司
同課課長補佐兼政策第1係長 稲垣 道生
教育部長 浦川 正

教育総務課長 貝沼 圭子
指導室長 大井 雅夫

(オブザーバー)
地域共生推進監 國信 綾希

生涯学習課長 粕谷 庸介

欠席者氏名(敬称略)

なし

審議の概要

「地域で育ち合う共生の教育に向けたアクションとは」

公開・非公開の別

公開

傍聴者人数

1人

問合先

長久手市市長公室企画政策課 0561-56-0600

会議録

1 市長あいさつ

・武田信子先生との関係性は、私が先生の著書「やりすぎ教育」を読ませていただいて、ぜひお話ししてみたいと思い、連絡させていただいたことから始まった。

・先生は、心理、福祉、教育の観点から、心や身体が健やかに発達するための環境づくりを研究されてこられ、日本だけでなく世界の事情にも明るい。

・長久手が取り組もうとしている方向性に共感いただき、昨年度の総合教育会議からご参加願い、ご意見をいただいている。

・今年度は、多くの人に教育大綱の理解を浸透させつつ、長い視点でどのようなアクションに取り組んでいけば良いかの議論をしていきたい。

・まずは職員から変わらなければいけないため、3月15日に先生に職員研修を実施していただいた。それについての報告や先生の所見も伺いながら、共生の教育が充実していくためにどうすれば良いか、忌憚のない議論をお願いしたい。

・保育園の先生と話をした。子どもをみることよりも、やることがいっぱいになっている。どうしたらいいか話していて思ったのは、保護者もやりすぎ教育の被害者であるということ。

・私が大学で子育てについて講演したとき、子どものことを言う前に、お母さん自身が100歳までどう生きるかを考えてほしいと話をした。今は100歳まで生きるのにモデルがない。そういうモデルを持っていない人が教育のあり方を言うからややこしい。

・明治維新になり、学校ができて最低限のことは教えるようになったが、「使われ人」を作ることになってしまった。ただ、それはその時代には必要だった。その代わり物事をつくっていく能力がなくなった。変な風に評価されるのがこわい、指摘されるのがこわいという人が出てきた。

・知らないことは知らないと言える方が良いのでは。そして、夢をもったら手伝ってくれる人が増えてくる。夢を描いて走ろうとするとできないことが多い。そうすると人に助けてと言える。

・使われ人になるための勉強ではなく、あいさつしたり、助けてほしいといったり、素直になることを教えること。それが親や地域が教えることで、今は逆に学校に地域が加担して「使われ人」を作るようなことになっている。

・3月28日に近隣市町の長が集まって、毎日一人にあいさつ、毎日一つごみを拾うという宣言をする。ジブリパークの来園者にお土産を売るとかではなく、この地域からそんなことやっているのがかっこいいじゃないかということになった。

・時代はどんどん変わっているから、教育委員会のあり方も、まちづくりのあり方も一緒。まず一つからやってから考えよう。同じことやっているのではなく、せっかくの機会なので、ざっくばらんに話をしてあり方を考えましょう。

2 議題「地域で育ち合う共生の教育に向けたアクションとは」

⑴ 今年度の総合教育会議の趣旨説明
⑵ 本市の取組状況の紹介

資料1、2に基づき、事務局から説明

⑶ 職員研修会の実施報告

資料3に基づき、事務局から説明

武田氏(資料4をふまえ)
・研修会アンケートで、職員が実現したいと思うことが、教育大綱とつながっていることを認識していない。それをつなげることが大事。

・教育大綱は、ここで暮らしていれば、みんなが幸せになっていくように学ぼうよということだと思う。だから、ここで働いていることが、職員自身の幸せにつながっていると思えるようになることが大事。教育大綱をもっと丁寧に読んでいけると良い。

・デンマークは民衆が学ぶことを大事にしていて、何歳になっても、高齢者になっても無料で学べる。長久手には高齢者になっても学べる、職員も市民も一緒になって長久手をどうしたらいいか学びあえる場があると良いと思う。

・その一つのモデルとしてデンマークの「フォルケホイスコーレ」がある。研修前に西小地域共生ステーションを見たが、非常に良い場所だと思った。拠点として可能性があるとても良いモデルがあるなと思った。

・教育というと学校教育だとみんな刷り込まれちゃっている。しかし、みんなそれぞれの場で脳を使っている、何を学んでいるかという発想に変えることが大事だと思う。

・親が子どもを育てると考えてしまいがちだが、親は無くとも子は育つようなまちを作れると良いと思う。親が育てなきゃいけないとなると親は必死になってしまう。そうでなくみんなで育てるという意識を持つことが大事。そうでないと子や孫をもっていない人は関係ないって思ってしまう。どの子も自分たちに関係ある。そうしないと災害が起きたときに大変なことになってしまうと思う。

・日本人は対話は苦手。途中で話に割り込むことがない。どんどん話に割り込めるような場を今から始められると良い。

・日本体育大学の研究で、普通の子が虐待されている子と同じ脳の状態であるという結果に徐々になっている。子育てで何かおかしなことが起こっていると思っている。

・今小学校2年生の暴力がすごい。かつては思春期の暴力だったのだが、今は感情コントロールができなくなっている。

・長久手の子どもたちを守ることは可能。みんなで考えていくことで実現できる。

・大人たちがディスエンパワーされている。それを変えていける実感を持てるような楽しい会からはじめることが必要。その一つが「コミュニティワーク」。茨城県の研修の実施報告だが、この冊子を使ってみんなで学んで、コミュニティを動かせる気持ちを持った人が何人かでいいので集まって話していけるといい。

・地域共生ステーション プレイパーク、フォルケホイスコーレ、2,3年後ということでなく、もっともっと時間をかけて作れたら良い。

・今日嬉しかったのは、去年の市の取組報告はイベントが点で書いてあった。しかし、今年は何をやることを通して、どういうことを目指したということに変わっていた。

3 主な意見

委員
・職員の研修アンケートで教育大綱の理解度が低かった。教育委員でいろいろ検討して作ったが、空回りしているなと感じた。

・大人が教育大綱をしっかり理解しないと成り立たないと、一部の人だけが知っていても動かない。
もっと多くの人にアピールしていかないといけない。

委員
・普段、地域で育てなきゃいけないからこうしなきゃいけないんだではなく、目の前にいた一人に対して、自分の思うことを素直にだしていけるっていうのが、自然にみんなができていくのが一番いいんじゃないかなと思っていた。

・武田先生の研修を経て、親と子どもだけの関係ではなく、子どもがいろんな大人を見て、大人の言うことではなくて、やってることを見て、同じことをすると感じる。

・子どもにやってほしい行動をする大人が周りにたくさんいる地域であることが重要。

・子どもたちがいろんな大人に関わることができなくなってしまった状態で、それを取り戻すための仕掛けとして、共生ステーションやイベントは必要。ただ、そういう場に行かなければそれが無いということもまた心配。

・例えば普通にお隣に来た人には、引っ越して挨拶しようっていうのが当たり前になる、長久手だといっぱい引っ越してくるけれども、その挨拶、最初の1回以降はできないとか、そういうところから変えていかなきゃいけないんじゃないかと感じた。

教育長
・先生の「やりすぎ教育」を去年読んで、大変な衝撃を受けた。

・学校現場や教育は情熱ばっかりでは息苦しいだろうと思う。先生は子どもたちを自由にして時間空けた方がいいと思う。

・市長と3中学校をまわって意見交換した。先生が生徒会にまかせて、自分たちに考えさせた。子どもたちはしっかりしていて、子どもたちから学ばされることがも多い。先生は子どもたちにまかせて遊び心を持つことが大事と感じる。

委員
・大人が子どもに接する機会がない。簡単に声を掛けられる時代ではない。

・子どもを持たない人はどこでかかわりを持つことができるのか。

・若いまちであるからこそ、地域で子どもを育てるならば、そういうかかわりを持てるそういう場をどう作るか。

・子ども向けのイベントが多いからこそ、逆に大人だけで参加できるイベントが少ない。

・学校では、若い先生が多いほど元気がある。先生にも学び直しの場を作ってもらいたい。市内に4つも大学もある長久手のこの場・この規模だからできる。

・親はインターネットとかの情報で「こうしなければならない」と背負っているものが大きい。その情報は本当に大事なのか気づく機会がほしい。インターネットではなく対面での関係性が増えればもっと良い地域になると思う。

委員
・小中学校の卒業式に参加した。この晴れの舞台にこれない子がいて悲しかった。子やその親の気持ちはどうだっただろうと思う。マイノリティという問題で片付けられない。

・長久手の学ぶ場をどう作っていくのかを原点に立たないと。行事消化型のプレイパークではいけない。

・特別支援学級で働いていたとき、怖い先生は従うけど、優しい先生には従わない子がたくさん出てきた。本来の力じゃないと思う。就職しても続かない。どのように力をつけていくのかを考えることが大事。

武田氏
・30代の学校の先生を北欧に行かせてあげられないか。10年間続けると北欧の自由な教育を学ぶことができる。子どもたち中心にやっている教育を肌で感じる機会があるとよい。

市長
・私は人の最後を30年間見てきた。みんな生きてきたように死んでいく。みんな9時から17時の仕事になっている。

・生産性のための仕事ではなく、自分のために17時を過ぎてもとなり近所でも笑顔をみせること大事だが、そんなことすらできていない。

・一番はじめにやらないといけないことをやっていない。「自分のために」何をすればいいか、良く考えていくべき。

 


委員
・「夢見る小学校」を見た。あの学校は子どもが自分で考えて、先生も子どももみんな同じ1票なんだと。卒業生は自分の意見をどんどん話せるというのが、本当の教育なんだと思う。

・社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーが一軒、一軒訪問している。これは長久手の力。問題がなくてもこうして回っていくのは他市町村にはない。こうした取り組みを引き継いでもらいたい。

・教育と福祉がつながっていないと言われた。ソーシャルワーカーが動きたいけど教育の壁が厚い。長久手はそれが弱いと感じているので、つなぐ役割を果たしていきたいと思う。

委員
・子どもの幸せのためには大人が幸せでないといけない。しかし、大人が幸せでない感じがする。必死で生きてる感じがする。

・コロナを言い訳にして、マスクして顔がわからないからあいさつしなくていいかな、というように閉じてしまった3年間だったように感じる。

・地域でまずは笑顔であいさつができること。「あんな高齢者になりたい」と思われるように、これからは元気に楽しく活動できるようにしたい。

・元気に地域で「おはようございます」と言えるよう、小さいことから子どもにも感じてもらえるように始めていきたい。

委員
・自治会で若い世帯が退会してしまった。地域を大事にしていきたい。顔の見える関係をつくっていくため、回覧板をポストではなく手渡ししていくようなところから始めていきたい。

・「満足は後退、感動は前進」という言葉を見た。みんなが感動でき、ポジティブに暮らせるように取り組んでいきたい。

委員
・今WBCの決勝戦をやっている。もし学校でこれを見ようとできるようにできたらすごいと思う。こんなに感動できることはない。

・自分たちのことは全部つながっているという意識が持てると良い。

教育長
・先生方がちゃんとしすぎている。人としての魅力や遊び心をみせてほしい。

・子どもをスーツケースに入れようとしている限り、誰一人取り残さない学校を作ることはできない。スーツケースではなく、いろんな風呂敷をつなぎ合わせた大きな風呂敷で包むようにしてほしい。違っているからむしろ子どもたちは安心する。

・「みんなちがってみんないい」を広めるのが自分の使命だと思う。

武田氏
・トロントに引っ越したとき、英語が話せなくて不安いっぱいだったが頼れるものがいっぱいあった。長久手の転入者にどういう情報を伝えているのかなと思った。一つ一つの情報を福祉の心で、長久手の人を育てるという意識で、新しい人たちから変えていくということができたら面白い。

・日本の中だけで見ていると気がつけないことがあるから、いろんな情報を入れてもらえるといい。

・川崎市のプレーパークは大きいのが一つしかない。子どもがいくためには歩けるところにないといけない。例えばたくさんある公園の中に畑があったら。「子どもと一緒に遊ぶのつらかった。でも自分が畑仕事してたら隣で子どもが砂遊びしていて、何だそれでいいんだ」と思ったというエピソードもある。

・私が研修会の際に、事務局に用意いただいていた机を参加者自身で撤収することも、移動しながら参加者同士で意見交換してもらったりすることも、机に向かって学ぶことだけが研修ではないということを感じてもらいたかった。私の本心はこの会議もみんなが立って歩き回って、話せると良いとおもしろいな、と考えている。

・今回のこの準備にはとても時間を割いて正直大変でしたが、可能性があると思うまちだと思うし、楽しいと感じたから実現できた。

市長
・暮らしは面倒くさいもの。しかし、今の時代はみんな面倒くさいものをやったことがない。面倒くさいことが不慣れな人が50年かかって半数以上になった。

・仕事に適した人間ばかり作っている仕組みを変えないといけない。新しい時代が来るから、そろそろ面倒くさいこと、わずらわしいことは、暮らしでは当たり前なんだということに切り換えないといけない。

事務局
・今回の会議を踏まえ、教育大綱のさらなる普及と地域で育ち合う共生の教育に向けたアクションの推進をしていきたい。

本日の資料

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 企画政策課 政策推進係
〒480-1196 愛知県長久手市岩作城の内60番地1

電話番号:0561-56-0600
ファックス:0561-63-2100

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