令和2年度長久手市総合教育会議
開催日時 |
令和2年11月6日(金曜日)午前10時から午前11時30分まで |
---|---|
開催場所 |
市役所西庁舎3階 研修室 |
出席者氏名(敬称略) |
市長 𠮷田 一平(議長)
(説明者) |
欠席者氏名(敬称略) |
なし |
審議の概要 |
長久手市教育大綱の振り返り |
公開・非公開の別 |
公開 |
傍聴者人数 |
3人 |
問合先 |
長久手市市長公室政策秘書課 0561-56-0600 |
会議録
1 市長あいさつ
このコロナ禍において、色々なことが中断したり、思うようにいかなかったり、大変である。今回は長久手市教育大綱を振り返るということで、この場を設けさせていただいた。教育大綱では、自然と共生する、地域と共存する、多様性を尊重する、という柱を掲げている。これは学校においてだけではなく、社会教育から、ありとあらゆる教育について、置き換えて考えることができる。
今長久手には、65歳以上で一人暮らしの人、75歳以上で夫婦二人暮らしの人、ひきこもりの人、不登校の人、育児不安を抱えている人などの「助けてと言えない人」がいる。
現在、社会では立て続けに様々な問題が起きている。市役所は、その人が倒れてしまってからしか助けられない。しかし、倒れてしまう前に、助けてと言えない人たちを救っていきたい。そのためには、顔の見える範囲の小学校区単位で、お互いのネットワークを作って、地域で助け合っていくことが重要である。
家に引きこもっている子どもも大人もいるだろうが、そんな人たちを、地域で見守っていきたい。せめて何かがあったときには「助けて」と、周りに言えるくらいではあって欲しい。道端で会ったら挨拶をするとか声をかけるとか、そういう小さなことからでいい。少しずつ地域の空気を変えていくようにしたい。
これからの日本は人口が大減少し、高齢化も深刻になってくる。それは若いまちと言われている長久手でも同じことである。さらには大地震等の災害も起きると言われている。これらに対応していくには、市役所だけの力では限界がある。地域の力を借りて乗り越えていきたい。今、長久手市はまだ赤の他人村で、繋がりづくりが必要である。
繋がりづくりをしていく中で、市民同士が知り合うこと、役割を持つこと、お互いに顔が見えるまちづくりを大切にしていきたい。
誰かが倒れた時に、自分の横の家の人は大丈夫か、その向こうの人は大丈夫かと気にできる関係性が欲しい。
そのようなネットワークを作りあげていくのには、時間がかかってわずらわしいけれど、それを手間暇かけてやっていく。それが地域との共存である。
私たちは、生まれてきてから幼い頃までは、時間に追われない暮らしをしている。しかし、学校生活や社会生活では、時間に追われる暮らしになってしまう。そして働き終わって60歳くらいになると、そこから100歳までの約40年間、また時間に追われない暮らしに戻ってくる。しかし、長い間、時間に追われる暮らしをしてきたため、ここで時間に追われない暮らしに戻ってこられない人ばかりである。そんな時に地域と共存することが重要になってくる。
今、長久手市が、教育大綱が掲げる、自然と共生する、地域と共存する、多様性を尊重する、というこの三つの柱をやれているのか。地域の人とすれ違えば、挨拶はできているのか、道にゴミが落ちていたら、それをみんなで拾えているのか。みんなで支え合えているのか。今日はそんなことを振り返っていきたいと思う。
2 議題
資料1~4に従い、政策秘書課及び教育総務課から説明。
3 主な意見
※資料1・2について
教育長
長久手市教育大綱は魅力的である。学校現場においても三つの柱に取り組んでいるが、簡単なことではなく、やりがいがあり、魅力があるがため大変だと思う。大変とは、大きく変わるということであり、大きく変わる時は、チャンスである。子ども達が変わり、学校が活性化されていく。
特に、多様性尊重について、金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」に「みんなちがって、みんないい。」という一節がある。一人一人が輝いて、かけがえのない存在である。学校現場では、この多様性の尊重を、真剣に取り上げていかなければならないと考えている。
委員
教育大綱策定時から関わっているが、当時「人間力」という言葉がすごく新鮮で、その言葉に特化して策定したイメージがある。社会的自立を目指す、お互いを認め合う、ということを強く意識していた。
時代が進み、困っている人がたくさん増えてきたが、「困っている人がいたら助ける」という文言がないため、もし見直すのであれば、その部分を入れてもよいのではないか。
委員
教育大綱の三つの柱は、全て必要なものであり、地域の繋がりが非常に大切である。
憲法第25条では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と、生存権を保障している。
生活保護を受けるべき人は約1000万人いると言われており、そのうち実際に生活保護を受けているのは200万人ほどで、残りの800万人は保護を受けられていない。これは、現状では生存権の保障ができていないということになる。ベーシックインカムという新しい考え方が出てきており、生存権を保障するためには、そういったことが必要である。
互いに協力し合って生活していくことは非常に大切なことである。ウルグアイ元大統領のムヒカさんは「最も大きな貧困は孤独」であると言っている。
委員
「まざって暮らす」という言葉は、おそらく他の自治体にはない言葉であり、長久手市らしい教育大綱である。しかしコロナ禍において、まざることが一番の課題であり、おそらく今年の3月頃からは足踏みどころか、後退をしている。
長久手市教育大綱の三つの柱、「自然共生、地域共存、多様性の尊重」というのは、日々社会生活をして暮らしているときに、自分がやっているこれは、三つのうちのこれに当てはまるな、というように、目印になる。
日々の暮らしの中で、今日は挨拶ができたとか、ゴミが拾えたとか、自分がアクションしたことが、小さなことから大きなことまで確認できるような、達成感が分かるような何かがあると良い。
子どもたちに向けて教育の環境を整えていくことがメインになるが、子どもだけではなく、大人たちも幸せになれるように考えていくこと、男女の隔てなく考えていくことも重要である。
委員
他の市で相談業務を行っているが、緊急事態を緊急にしない、学校との取り組みが必要だと感じる。
教員の多忙が解消されて欲しい。長久手市では、長時間外勤務をしている教員がが多い。そんな中では、良い教育ができるはずがない。
現実を隠すのではなくて、何が課題かを明らかにしていかないと、良い教育は生まれてこないのだろうと、現場の話を聞いて感じた。
市長
この三つの柱は、面倒なことである。面倒なことやわずらわしいことをするために、まざって暮らす。これを、良いことだと思う人と、大変だと思う人がいる。各種住みよさランキングは上位だが、現実に長久手で起きていることを市民に伝えていくことが大切だと思う。
教育長
まちづくりは人づくりであり、学校や地域は助け合い、中でも相互承認が重要である。この相互承認があれば、人として互いに認め合い、高め合い、自分のことも人のことも大切にできる。そういうことが、やがて社会に参画するしなやかな力に繋がってくる。次に説明する教育振興基本計画に基づき進めていくことが大事である。
※資料3・4について
委員
地域学校協働本部の形は出来上がってきた。学校の運動場にプレハブ等をつくっておいて、そこから子どもたちの様子が見られるような、地域の人が気軽に学校に入れる環境があると良いと思う。例えば、長久手小学校のプールの横に倉庫がある。現在は資料が保管されていて活用できないが、資料を撤去してその倉庫を地域で活用できないか。学校に自由に出入りできるようになれば、学校に関わる人材を増やしていけることになる。
委員
子育てをしている人、したことがある人だけの地域学校協働本部になってしまうのではないか。子どもに縁のない人達は、なかなかここには参加しにくい。
有償無償の目に見えない壁があるような気がする。無償だからいい加減にすればいいということではない。
みんなに役割がある、というところまでもっていけると良い。私自身が、どうやってこの地域学校協働本部に入っていこうかという感じを受けた。
教育部長
長久手小学校のプレハブは農機具の倉庫として一時的に仮利用している状況。
体験ということでは、平成子ども塾では、薪でご飯を炊くなど体験をしてもらっている。
委員
自然共生、地域共存を考えるにあたって、実践を通していくことが必要になってくる。
小中一貫教育を行っている非常に魅力的な学校がある。和歌山県橋本市の、きのくに子どもの村学園という学校である。ここを一度見学してみたい。福井県勝山市、山梨県南アルプス市、福岡県北九州市にもあり、徐々に増えてきている。この学校の基本原則は、「自己決定、個性化、体験学習」。実践を重視し、体験学習が主である。心が豊かで、主体性や高い人間力が育つ教育を実践している。
市長
是非、機会をつくって見学してきて欲しい。
委員
まざっての発言があったが、地域の人が、もう少し学校に入りやすくなると良い。地域の人が関わり、助けてくれれば、教員の労働時間も少しは減るのではないか。
岐阜市に不登校の特例校ができた。学校に行けなくなった子たちをどうするのかは重要なことで、岐阜市のようなその子たちが行く学校を、特別な学校にはしたくない。交流できるような場所になるとよい。
市長
地域の高齢者を活用し、教員の負担が減るような、学校の門戸を広げる工夫が必要である。
委員
地域の人が学校に入るときに、学校側として心配するのは、身元の証明であるとか、とにかく犯罪や事故に繋がらないようにということ。本当は多くの人が学校に出入りできると良いと思うが、どうしても不審者はいないか、というところがネックになる。何とか工夫できないか。
教育長
難しい問題である。学校側としては安全安心を保障しなくてはならない。しかし、人の出入りが全くだめというわけではない。工夫次第である。
開かれた学校を目指しているため、学校がどんな取り組みをしているのかを地域に分かってもらえるように、学校の敷居を低くする。敷居を低くするためには、学校のグランドデザインが重要である。各校の情報発信の工夫が必要になる。
東小学校ではSDGsの取り組みを行ったり、北小学校では香流川の水質調査を行っている。また、現在東小学校がユネスコスクールに加盟しているが、2校目として西小学校も加盟する方向である。市が洞小学校は、来年度、里山を訪れて自然と触れ合うなどの取り組みも考えてもらっている。コロナ禍で取り組みが制限されているが、各学校それぞれ活動している。
教室での授業以外の総合的な学習の中で、こういった活動をしていくことで、地域に開かれた学校に繋がるのではないか。地道な取り組みかもしれないが、子どもたちに新たな経験や体験をさせていくことが重要である。
委員
長久手市は、緑が多いと言われているが、緑地や農地は年々減っており、宅地と道路が増えてきている。自然共生を行っていくためには、その部分を意識して、少しでも緑を広げていく必要がある。
地域にいるお年寄りたちは、畑仕事をした経験のある人も多い。休耕地を利用して、ぜひそういう方たちの知識や経験を、子どもたちに伝えていって欲しい。地域でまざり合って、自然共生ができると良い。それをきっかけに、お年寄りと子どもたちの繋がりも生まれていく。
委員
畑体験やお米づくり等、今の子どもたちは実際に学ぶ機会が少ないので、体験することはとても大事である。しかし、それを実際に体験し学んだ子どもたちは、日々の自分の食生活とのギャップをどう処理するのだろうか。もっと大きな視野で、子どもたちの将来を考えなければならない。
長久手市には大学が4つもある。様々な連携が進んでいるが、ボランティアだけではなく、もっと学生が教育の中に入ってきて良いと思う。中には将来教員を目指す学生もいて、単位になるようなかたちで何か連携していけると良い。
地域でまざって何かをする、というときに、昼間の時間に長久手にいる若者たちにもっと入って来てもらえば、また新しい良い化学反応が起きるのではないか。
市長
ぜひ教育現場としても、大学と連携できることがないか、考えて欲しい。
委員
不登校の生徒が、学校に行く以外の選択肢も考えたほうが良いと思う。その一つにN―ハウスというものがあるが、そのN―ハウスにも行けない子たちがいる。少し視点を変えて、学校への復帰を前提とした上で、図書館や公共施設に行くのはどうか。例えばそれで出席扱いにするなど、広い視野で考えられると良い。選択肢を広げるという意味では、図書館も素晴らしい教育の場である。
教育長
面白い視点である。N―ハウスに行けない子や、家にいる子たちをこれからどうしていくのかが大事なポイントだ。しっかり考えていきたい。
委員
学びの連続性はとても大事だと思う。
市長
本日はいろいろな意見を聞くことができた。N―ハウスに行けずに家にいる子、引きこもっている子たちをこれからどうしていったらよいか、今後いろいろ提案して欲しい。
教育長
色々な話をして、たくさん意見交換をさせていただいた。SDGsの、「誰一人取り残さない」という視点が非常に大切である。
事務局
本日いただいた意見は、今後の参考にさせていただく。
本日の資料
資料1 長久手市教育大綱について (PDFファイル: 50.5KB)
資料2 長久手市教育大綱 (PDFファイル: 116.0KB)
この記事に関するお問い合わせ先
市長公室 企画政策課 政策第1係
〒480-1196 愛知県長久手市岩作城の内60番地1
電話番号:0561-56-0634
ファックス:0561-63-2100
メールフォームによるお問い合わせ
- このページに関するアンケート
-
より良いウェブサイトにするために、このページのご感想をお聞かせください。
更新日:2020年12月18日